finders keepers

バイクが楽しい。写真が楽しい。釣りが楽しい。

V7 II Stone - 初回点検を終えて。

 

f:id:summarit:20150909135122j:plain

「どこそこのラーメンがうまい」と言ったところであまり意味がない。
こってりが好きな人もいればあっさりが好きな人もいるし、しっかり味のついたものを食べたい時もあれば二日酔いの胃にやさしい味を求める時もある。

 

f:id:summarit:20150909135155j:plain

バイクもまた、そんなものだろう。ライダーの技量や乗り方、走るフィールドによって、理想のバイクは様々である。自分がV7に期待したのは、気負わずに乗れるサイズやパワー、スピードを出さなくても運転を楽しめるということにある。もちろん公道で。

 

f:id:summarit:20150906200613j:plain

納車から9日、1300kmを走って初回点検を終えた。V7は期待以上だ。想定と違っていたのは、思ったより「走りたくなってしまう」こと。縦置きVツインの振動は、そのまま路面をトトトと蹴りあげてくれて、直線もワインディングもすこぶる楽しい。とはいえ急かされるようなフィーリングではないから、程よいペースでツーリングを楽しむことができて、気がつけば走行距離が伸びていく。

 

走っている限り気難しさはまったく感じないのだけれど、暖気を疎かにしたりすると如実に反応が違う。イタリアのレディは、雑に扱われることを嫌うのだろう。思えばチンクエチェントもそうだったと、今はなきイタリアの相棒を想う。

V7 - 最初のオイル交換

f:id:summarit:20150831230040j:plain

500kmを走って最初のオイル交換。雨が降ったくらいでは、高揚したライダーを醒ますことはできない。エンジンもシフトもフィーリングが良くなり、さあまたじっくりと走るぞと初心にかえる。

 

V7 IIになって6速ミッションになり改善されているということなのだろうが、巷で言われるようなシフトの入れにくさはまったく感じなかった。最初からスコスコ入っていたし、オイル交換して一層なめらかになった。クラッチはレバーをきっちり握ってようやく切れるような感じだったので、うまく入らない場合はクラッチが甘いという可能性もある。クラッチは確かに重いのだが、ハーレーだってこんなものだった気がする。

 

f:id:summarit:20150831231638j:plain

慣らしということで3,000回転付近で走っていると、エンジンの鼓動がブルブルと伝わってきて楽しい。オイルも交換したからと4,000回転くらいに回してみると、振動が収まったなめらかな加速が垣間見える。今までのバイクで感じていなかった色々な心地よさや面白さが身体に伝わってくるのだけれど、それがエンジンによるものなのかシャフトドライブによるものなのか、あるいはフレームやその他によるものなのか、解説できる引き出しが自分にはない。

 

まあいいや。楽しいんだから、どんどん走ろう。

 

MOTO GUZZI V7 II Stone

f:id:summarit:20150829201615j:plain

新しい相棒がようやくやってきた。モトグッツィV7のニューモデル、V7 II Stone。選んだ理由は色々あるけれど、きっかけは「買おうと思った色のW800がなかった」ということだったりする。ちょうど2016年モデルへの切り替え時期でメーカーに在庫がなく、店頭の一台は売れてしまったばかり。気持ちが萎えたところに現れたのが、モトグッツィというメーカーだった。ほとんど視野に入れていなかったけれど、調べれば調べるほどに自分の好みに見えて・・・とりあえず住民票と手付金を用意した。結局イタリア車に縁があるわけだ。

 

f:id:summarit:20150829202917j:plain

雨模様を気にせず走りだしてみると、なんだか空も晴れてきた。じっくり慣らし運転をしたいので、高速は使わず下道を使う。試乗もせずに買ってしまったが・・・このバイク、期待以上に面白い。縦置きVツインの鼓動はハーレー以上に豊かだし、フィーリングはまさにプロペラ機のイメージ。ヒラヒラ軽快で、ワインディングもすこぶる楽しい。零戦のパイロットにでもなったつもりで、山々を駆け抜けてゆくのだ。

 

f:id:summarit:20150829214800j:plain

たっぷり走って500km。早速オイルを交換しなければなるまい。

回転数をあげて見える世界はまだお預けだけど、歓びと発見にあふれた一日だった。お目当てのW800があったらこのバイクに出会えていなかったかと思うと、なんだか感慨深い。単なる些細な偶然も、やがて運命になるのだ。

 

serow.hatenablog.com

 

悩まないコツ

f:id:summarit:20150822031652j:plain

悩むから悩みになるのであって、悩まなければ悩みにはならない。

 ・・・なんていう言葉は悩んでいる人には伝わらないし、何の助けにもならないものだ。空白がうまれれば心は勝手に不安を呼び戻し、妄想を繰り返して自らを暗い迷路に追い込んでゆく。頭は考えることをやめてくれないが、そんな反芻が問題を解決に導いてくれたことは、自分にはない。

 

f:id:summarit:20150822031848j:plain

原始仏教、いわゆるお釈迦様の教えは、そんな人間の妄想に明快な対処方法を示している。
それは「感じる」こと。身体感覚から得られる刺激に注意を向けていると、余計な妄想は影を潜めるというのだ。

 

f:id:summarit:20150822032423j:plain

自分がバイクにとりつかれているのも、実はこの実践なのかもしれない。エンジン音と排気音を聴き、感動的な景色に出会い、風の匂いを嗅ぎながら、トラクションを全身で感じて駆け抜ける。バイクを降りてタバコに火をつければ、五感のフル活用が完成する。一日のツーリングはもちろん、30分の走行でも心は前よりスッキリしている。

そう考えると、体育会系で育った人が明朗でタフであるのにも納得がいく。彼らはストレスを解消する術を身につけているし、そもそも余計な妄想が少ないはずだ。「悩みがなさそうでいいね」なんていう暇があったら、身体を動かせばいい。

 

f:id:summarit:20150822032536j:plain

もしくはバイクに乗ること。
現代の労働はどんどん身体を動かさなくなっているのだから、 人類の精神はきっと病んでゆく。人類を救うのは、身体感覚をフルに目覚めさせる「オートバイ」だ。

 

セロー250で夏の林道ツーリング

f:id:summarit:20150816225539j:plain

本日の相棒はセロー。1年と少しで12,000km程走り、エンジンの具合もぐっと良くなっている気がする。パワービームを付けた以外は基本ノーマルだが、以前は変えたいと思っていたマフラーも今は「これでいい」と思うようになった。走るほどにバランスの良さに感心し、懐の深さに唸る。へんに弄らずに走ってきて良かった。

セローで良く言われるのは高速巡航がキツいという話だが、敢えて速度を上げず80km/hくらいで走れば個人的には楽しい。100km/hくらいの速度は少ししんどくなる領域で、目的地まで「我慢して駆け抜けてしまおう」という乗り方になる。仮に100kmの行程だとしたら、20km/hの速度差がもたらすのは15分程度のもの。60分辛抱するよりも75分楽しんだほうがいいじゃないか、と思う次第である。

 

f:id:summarit:20150816235054j:plain

関越城ヶ島で降り、毛呂山町あたりから林道に入った。少しずつ標高が上がっていくのと道が木陰に包まれることで、温度も一気に快適になっていく。顔振峠、正丸峠、刈場坂峠など気の向くままに峠を巡ることができて、この界隈はなかなか楽しい。林道といっても舗装されているので色々なバイクで走れるのだが、落ち葉や落石、道幅などを考えると、やはりセローがピッタリだと思う。R1では神経を使う必要があるし、気持ちいい速度は出せない場所だ。

 

f:id:summarit:20150817000353j:plain

待ち合わせまで時間があったので、御岳山林道にチャレンジ。道は一部ヒヤッとするところもあったけれど、全般的に走りやすくて林道初心者にももってこいの道だ。15km程度の道を40-50分かけて抜けて、出会ったのはYAMAHA1台と鹿1匹。石や土のうえを走るだけでワクワクするのは、一体どういうわけだろう。

 

f:id:summarit:20150817000410j:plain

林道を抜けて37号線を北上、小鹿野にて本日のチェックポイント「安田屋」へ。ここのわらじカツはうまい。空いている時間が限られているので、昼か夜に小鹿野に到着できるようなツーリング計画が必要になるのだが、奥多摩方面と絡めたり山梨から雁坂トンネル経由でのアクセスなど、選択肢はさまざま。大満喫のツーリングであった。セローはホント、楽しいなあ。