バイクは3台までと決めていたのに、なぜかコイツがここにいる。R1を手放した結果スポーツ走行への欲求が高まるというアンビバレンツ。別れた後に未練が生まれるというのは男子の習性なのだろうか。まあいいや、もう買ってしまったんだ。
慣らし運転ということで色々なギアを使って回転数を制限しながら走るのだけれど、これがなかなかつらい。というのも低回転域は決して楽しいフィーリングとはいえないからだ。回転数を上げるにつれて「はいはい、こういう感じね」とニンマリするのだけど、すぐに自粛ゾーンに入ってしまう。同じ単気筒でもトコトコと低速で楽しいセローとはまったく違っていて、エンジンひとつとってもこんなに性格違うのだなあと感心する。
道志みちを通って西に抜けたので、身延に寄る。コーナーをしっかりブレーキングしたり、意識的にアクセルを開けたりしながら峠道を走ると、このバイクの面白さがどんどんわかってきた。そうだ、R1では(速すぎて&下手すぎて)公道でこういうことができなかったのだ。
と同時に、R1が如何に優れたバイクであったかもよくわかった。足回りにせよブレーキにせよ安定感にせよ、あらゆる点で次元が違っていたことに気づく。思えばSIMPSONを被っていたからこそSHOEIに感動できたわけだ。比較によってはじめて認識されるクオリティというものがある。
しかし公道で現実的に遊べるのはこのぐらいのクラスではないか。400cc以下とはいっても十分速いし「バイクってこうやって走らせるものでしょ」というKTMの哲学が伝わってくる。公道で楽しむために小さいバイクを買ったのに、サーキット走行にチャレンジしてみたい気持ちになっている。READY TO RACEとは大したスローガンだ。
もっとうまく運転できるようになりたい。