finders keepers

バイクが楽しい。写真が楽しい。釣りが楽しい。

SUZUKI SV650 インプレッション@熊本

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いいとは聞いていたけど、阿蘇の道は本当に気持ちよかった。緩やかな起伏のなかを縫うようにワインディングロードが走り、眼下に見える市街地との高低差が雄大な景色をつくる。標高が高すぎるわけではないから緑も豊富。木立のなかを走る道もあれば、草原を抜けていく道もあり、それでいて熊本の市街から小一時間もあれば辿り着けるというロケーションが、東京住まいの人間からすると激しく羨ましい。ズルいよ、熊本人。

 

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レンタルで借りたのはSUZUKI SV650 ABSだ。旅先で変な神経を使いたくなかったからと選んだのだけれど、本当にいいバイクだった。軽くて小さくてシンプル、借りるときもバイク屋の人が「ええと・・・特に説明することはありません」という有様。まったくその通りのバイクで、乗ればすぐに自分の手脚のように感じられる素直さがあり、アクセルを開けば思った通りのパワーが引き出せて、それでいて変に急かされることがなく、純粋にライディングを堪能できるのだった。走行距離の少ない車体だったけれどエンジンフィールの良さは十分に感じられて、走るほどに味わいが増すんだろうな。やはりVツインは楽しい。

 

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いい意味での地味さというか、控えめな存在感も魅力だと思う。ライダーというものはうっかりすると乗ったバイクのパワーを自分の速さだと勘違いしたり、自己のアイデンティティを投影させてしまうものだけれど、SV650に乗っているということはたぶん背伸びの必要がない。セローがそうであるように主役はあくまでライダー。たぶん自分はSVを選ぶ人を無条件に信頼できる。(V7選んじゃう人のこともそうなんだけど)

 

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ところで熊本を走り回っていると通行止めの道はまだまだ多くて、地震の爪痕に気付かされた。阿蘇神社も修復の途中。熊本にはまだまだ支援が必要だ。もちろん東北にも。

 

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自分をこの地に向かわせたきっかけはラグビー日本代表とルーマニアのテストマッチなのだけれど、音楽にせよスポーツにせよ、人を集める力が果たす役割の大きさを、身をもって実感した熊本行脚であった。