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finders keepers

バイクが楽しい。写真が楽しい。釣りが楽しい。

運動不足がランニングをはじめたという極私的な話

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慢性的な肩・背中の凝りが実生活にも影響を及ぼすようになって、とうとうランニングをはじめた。「運動しないと」という消極的な意志ではなく「身体動かしてよ」という内なる声に突き動かされた感じで、個人的には「革命的な」出来事といえる。運動の方法をランニングに決めたのは、友人もまた今年から走りはじめていたからだ。居酒屋でビールを飲みながら「まずウェアを揃えてから」という自分に「こりゃだめだ」というのが皆の反応であったが、翌日ほんとうにウェア一式を揃えた。奮発して機能性インナーも。道具を手にすれば、さっそく試してみたくなるものである。

20年分くらいの運動不足に慣れている身体は、びっくりするほど動かない。からだが重く、スピードは出ない。1ブロック進んだだけで息があがる。それでも人間の身体というのは大したもので、筋肉痛の1日を経た次のランでは明らかに身体が楽になった。1〜2日おきに3〜5kmくらいを走って、じっくりと身体に刺激を加えると、身体はわかりやすく応えてくれる。手応えがあるので楽しい。そもそも、走った後は気持ちがいい。

何かに関心を持ち出すと、いろいろと本に手を出すのは自分の癖だ。雑誌やガイド本はもちろんだけれど、自分に影響を与えるのは小説やエッセイであったりする。物語は頭ではなく心を動かしてくれる。

「風が強く吹いている」三浦しおん
「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹
「BORN TO RUN」クリストファー・マクドゥーガル(近藤隆文 訳)

これとは別に、ランとは関係のない興味関心が不思議なほどにリンクしていくというのが面白い。もちろん単純に「自分が欲するものを選び取っている」だけかもしれないし、都合よく読んでいるだけかもしれないけれど。最近読んできたその他の本は、例えば以下のようなものだ。

「ブッダのことば―スッタニパータ」(中村元 訳)
「シッダールタ」ヘルマン・ヘッセ(手塚富雄 訳)
「自分を変える気づきの瞑想法」アレボムッレ・スマナサーラ
「サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福」ユヴァル・ノヴァ・ハラリ
「あなたの知らない脳」デイヴィッド・イーグルマン
「易経読本―入門と実践」河村真光
「養生訓」貝原 益軒
「一汁一菜でよいという提案」土井善晴
「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」ジョン・J・レイティ/リチャード・マニング

書店に行ってもマインドフルネスは昨今のキーワードであるようだが、自分は仏教の書籍から入った。仏教に興味を抱いたのは神社仏閣巡りをはじめたからだし、神社仏閣巡りはバイクツーリングの流れからスタートしている。「易経」などは漢方薬メーカーの方と知り合って東洋医学・東洋哲学に関心を持ったからで、自然を求める生き方はキャンプや釣りに勤しんできた流れかもしれない。別々の出来事がひとつの方向に向かうさまは、伏線が上手に回収されてゆく映画のようで愉快だ。結果として、自分でこしらえたワラーチを履き、身体の力を信じて走りだすことになった。

東京に住むランナーの常として今は皇居の周りを走っているが、やがてトレイルランの世界に踏み出すだろう。絶対に楽しくて、気持ちがいいはずだ。目下の課題は食生活と睡眠だが、身体から発せられる心地よさに耳を傾けていれば、おのずと変化していくと勝手に期待している。巷にあふれる情報や理論には正反対の主張があるから、何を採用するにしても少しずつだ。ハンドルを急に操作すれば事故につながる。

とはいえずいぶん回り道をしたというだけで、単に人間としてあたりまえの生活に向かっているということかもしれない。思えば西洋医学であろうと東洋医学であろうと、医者に言われてきたことはいつも同じだったではないか。

「食事と運動を改善しましょうね」と。