「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也」
3泊4日、行程1870km。いつか行きたいと思っていた東北へのツーリングから、無事に戻ってくることができた。関東圏以外ではできるだけ高速道路を使わず奥羽山脈を北上して岩手へ。八幡平を走って秋田へ抜け、日本海側を南下してもどる。取れたホテルに合わせてルートを決めたので青森までは到達できなかったけれど、東北の道と景色を満喫できた旅になった。
特に景勝地でなくても、道中はすばらしい景色に溢れている。山間を抜ける道は交通量も少なく、ほとんどが快走ワインディングロード。大げさでなく、この世界に生まれた歓びを全身で感じた。数十キロに及ぶ村落のない山道などを走れば、自らの足で歩く昔の旅はどれほど大変で、かつ感動的だったかと思う。とはいえ芭蕉もオートバイを走らせる歓びは知るまい。
一度走って見たかった八幡平。標高がそれほど高くはないので、志賀草津や磐梯山あたりの雰囲気ともまた違う。この道が自分を東北ツーリングに誘ってくれた。
山ばかり走っていたこともあって、男鹿半島の海岸線はとても良かった。日本海のイメージも、北陸と東北ではずいぶん違う気がする。
山形から会津へ抜ける道。このあたりは岩手や秋田よりむしろ寒くて、磐梯吾妻スカイラインは今回パスした。関東から来れるエリアなので、冬になる前にまた来よう。
願えば叶う。というより、願いがあってはじめて人は行動するのだろう。
走ってみたい道、食べてみたいもの、入ってみたい温泉、経験したいこと。まだまだ願いはたくさんある。V7と一緒に、次はどこへ行こう。