finders keepers

バイクが楽しい。写真が楽しい。釣りが楽しい。

未来のグッツィスタへ 〜 V7 II Stone 雑感

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V7 II Stoneのキーワードで訪れる人が妙に多いということで、いわゆる雑感を書いておく。あくまで個人的な感覚なので・・・などという但し書きは省略しよう。楽しむのは自分自身であって、他人の感覚などはアテにするものではない。

(記載時点走行距離:7500km)

 

トラブル:

今のところ、拍子抜けするほどに何も起こっていない。自分で何か触る必要があったことといえばミラーが緩んで締め直したとか、クラッチのミートを調整をしたぐらいだ。とはいえイタ車に乗ろうというのだから、何が起ころうとも「いいネタができた」ぐらいに受け止めるおおらかさは持ちあわせておきたい。

 

燃費:

3000-4000回転でドコドコとした振動を感じながら走るのが好きな自分の乗りかたで、20km/Lは走る。給油ランプが点灯しだすのは300-350km走った頃で、その時点で給油しても15Lしか入らない。タンク容量が正しいのならまだ100kmは走る計算だ。ツーリングでガソリンスタンドの場所をあまり気にしなくなった。精神衛生上とてもよい。

 

疲労:

妙に沢山走れてしまうのはなぜだろう。シートのおかげなのか、ライディングポジションか、無茶な走りをしないからか、楽しいからか。スクリーンをつけずに風を受けているし、機能性を無視したジェットヘルメットにゴーグルという出で立ちなのだけれど。走行距離が200-300km程度の日は、家についてしまうのが寂しくなる。もうちょっと走っていたくなる。

 

積載:

2人乗りできるシートなのでここに適度なバッグが積める。ただし荷物を固定するフックを最初から付けておくような考えはイタリア人にはないか、あるいは美学に反するようだ。オプションのキャリアを付ければいいのだが、そこは美意識との相談。程よいソリューションを見つけて荷物も積めるようにすると、ツーリングの楽しみかたは広がる。

 

走り:

すこぶる楽しい。キモはエンジンのフィーリングとトラクションのわかりやすさ、程よいパワーとレスポンスにあると思う。思い描いた走行ラインをトレースしていく楽しみは、別次元の運動性能を持つR1にだって劣るものではない。日常の公道ツーリングにおいてはむしろV7のほうが丁度よく、気楽に味わえるくらいだ。地面を蹴っていくフィーリングはセローやXL1200Xより大きく、エンジンの鼓動を楽しみながら流すのも、回転数を上げてその気を出すのも、シチュエーションやライダーの体調に合わせて選べばいい。 イタリア人というやつは人生の楽しみかたが良くわかっているのだ。

 

Stone と Racer:

販売店で悩んだのはStoneかRacerかということだった。Racerは雑誌等で写真を見て、少々「格好つけすぎ」と思ったものだが、実物を見るとやはりセンスがいい。言うほど前傾姿勢ではないし、装備も奢っていて、より走りを楽しむ方に考えるならRacerが良さそうだ。スタイル的に飽きがこないのはStoneという感じで、最後の最後まで悩んだ。自分の場合は「Racer買うよ」と伝えようとしたら担当営業マンが不在で、翌朝の気分はStoneに傾いていた、という感じ。Racerを選んでいても、楽しかったことは疑いがない。

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もっと沢山の人がモトグッツィの世界に触れてくれるとうれしい。その哲学はドゥカティとは違うし、日本のライダーにぴったりなのはV7のようなバイクではないかと思う。

今年も春が来る。

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気がつけば今年も2ヶ月が過ぎてしまった。やり残したことがあるかどうかはともかく、3月は渓流釣りのシーズンが開ける。朝4時に起きるのも凍えながらバイクを走らせるのも何てことはない。ワクワクの持つこのパワーは何なのか。

 

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川のせせらぎは最高のBGMである。この時を待ちわびていた釣りキチたちが蠢いて、文字通り春の虫の如し。これから日に日に暖かくなって、虫も魚も人も浮ついてくるのだ。

 

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久々に川を歩いて運動不足の身体が悲鳴をあげている。午後の天気は不安定だというから、日曜日は本を読み、フライを巻いて過ごそう。準備しておくべき冬は、ラグビーばかりで過ごしてしまったから。

YAMAHA YZF-R1 (2004/5VY)

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昨年転倒したR1は、今はピカピカ。10年経っても新品パーツが手に入るというのが頼もしい。たまにはエンジンに火を入れなければいけないと思ってR1で200kmも走ると、運動不足の身体はぐっすり眠れるくらいに疲労する。ああ、スポーツバイクとはこういうものだ。

 

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いつもの漁港は、この日も穏やかだった。変わらないもの、変わる必要のないものを思い、しばし時を過ごす。

ミディアムフォーマットの誘惑

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久しぶりに印画紙にプリントできる環境ができたので、モノクロフイルムでの撮影に勤しんでいる。今やデジタルのほうが「よく写る」のだけれど、印画紙へプリントしてみると、これはこれで代えがたいリアリティや面白さがあるのだ。

プリントしたいからネガをつくる、とは、写真を撮るという本質で言えばあべこべだろうか。それはともあれ、せっかくフイルムで撮るのならと、中判カメラを引っ張りだした。デジタルバックの強烈な価格を考えれば、ブローニーフイルムはコストパフォーマンスが高い。面積の広いフイルムで得られる世界は、やはり格別である。

 

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ほら、こういう雰囲気。ローライコードの古いレンズは、いい塩梅に光を捉えてくれる。ほんわかしていていいじゃないか。

 

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フイルムも随分と高くなったけれど、中古カメラは安くなった。楽しむならば、今のうちではないかと思う。ハッセルでもローライでもいい。新製品の登場に心をざわつかせる必要のない世界が、ここにある。

 

MOTO GUZZI V7のデザイン

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V7 II Stoneのタンクのマットな艶はとても美しい。カタログでは華やかなイエローが目を惹くけれど、レッドはすこぶる良い選択だったと思う。モノクロームでもその色気は伝わるだろうか。

DUCATIやMVアグスタがいかにもイタリアの美女であるのに比べ、MOTO GUZZIはどことなくイモっぽいというか、田舎娘という印象だった。ところが実車を見ると、なんとなく「これはこれでいいんじゃないか」なんて感じる。じっくり見るほどに、どんどん印象が良くなっていく。そうして走りだしてみてはじめて感じられる面白さに、完全にやられてしまう。

フィアットやアルファロメオでも感じたけれど、イタリア人のつくるモノの凄さはこういうところにあると思う。初見ではしっくりこないデザインが、5年や10年を経て、色褪せずに魅力的でありつづける。ダメなところを上回る楽しさが、自然と人を笑顔にする。スペックに表れない価値は、手にして見なければわからない。